人気メルマガ「チホウ政治じゃーなる」のブログ版


by kabashima_h

亡国!税金のムダ遣い(9)

●自治会長との懇親会も大切な選挙戦術●

 国民が納めた税金でおいしい思いをするのは政治家と公務員、それに審議会に名を連ねるような高名な有識者だけかというと、そうでもない。ごく普通の住民が公金を使った宴席に招待されることもある。手っ取り早く招いてもらおうと思ったら、自治会や町内会の役員になることだ。

 自治会役員の仕事といえば、役所の広報誌を配布したり、回覧板を回したりと、地域の世話役みたいなことが中心だが、これにはたいていの自治体が業務委託費や運営補助金のような公金を出している。いわば表の仕事だ。裏の仕事は何かというと、知る人ぞ知る、選挙マシンである。

 全国どこでもというわけではないが、ちょっと田舎の方へ行くと、議員選挙の地区推薦は自治会のお歴々が取り仕切っていることが多い。選挙後に買収事件が摘発されると、自治会の役員が後援会幹部らとともに芋づる式に検挙されるといったことは珍しくない。

 とくに首長選挙では、どの候補を推薦するかは自治会役員の胸先三寸だ。無党派層の多い都市部はそれほどでもないが、たった1つのイスを争う首長選挙では推薦団体の数がものを言う。だから、現職の首長は、普段から自治会役員のご機嫌をとることが不可欠となる。

 滋賀県大津市では毎年、新緑の季節になると、自治会役員と市長、市幹部による懇談会を市内の旅館やホテルで催してきた。参加者は50~60人ぐらい。費用はだいたい1人当たり1万円である。もちろん、食糧費という市の公金から全額出されている。

 宴席の目的は「地域住民の代表である学区自治連合会長から市政への要望や意見を広く聴き、意見交換をして理解を深めること」ともっともらしいが、納税者である市民が納得するはずがない。「意思疎通を図るために酒や料理を提供する必要はない」と、市内の主婦らが提訴した。請求した返還金は過去5年分の283万円だ。

 昨年12月に出た大津地裁の判決は、市側と主婦の言い分を足して2で割ったようなものだった。「趣旨や目的、場所、内容などを考慮すれば、一人六千円までが相当」との判断を示し、6000円を超えた分の合計約109万円の返還を市長らに命じたのである。なんとも、すっきりしない判決だったが、双方とも控訴せずに確定。今年1月に市長は交代したが、懇談会は費用を削ったものの例年どおり開催された。

<2004年7~8月に日刊ゲンダイに連載した「亡国!税金のムダ遣い」より>
[PR]
by kabashima_h | 2004-09-29 23:52 | 民主主義のコスト