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by kabashima_h

亡国!税金のムダ遣い(7)

●国会議員宿舎の家賃は民間相場の数分の1●

 7月30日から臨時国会が始まる。先の選挙で初当選した参議院議員もすでに議員会館に部屋をあてがわれ、議員宿舎への引っ越しも済んだことだろう。

 気になるのは、その宿舎の家賃だ。参院議員に用意されているのは、ホテル・ニューオータニや赤坂プリンスホテルが目と鼻の先にある清水谷宿舎(2DK・32平方㍍、家賃月額1万1700円)と豪華マンション風の麹町宿舎(2LDK・75平方㍍、同6万9500円)。東京近郊以外が住居地の議員ならだれでも利用できることになっていて、単身だと清水谷、家族同居だと麹町と分かれているようだ。

 どちらも民間相場なら家賃20~25万円という物件だから、びっくりするほどの安さである。だが、これでも今年4月に値上げした後の家賃なのだ。それ以前は清水谷が7801円、麹町が約5万円。上げ幅は最大で50%だが、もともとがタダみたいに安い。しかも激変緩和とかで、最終的に新家賃の額になるのは3年後という悠長さだ。

 一方、衆院議員には高輪宿舎(3LDK・83平方㍍)、九段宿舎(3LDK・82平方㍍)、青山宿舎(2DK・32平方㍍)、それに赤坂宿舎(2DK・46平方㍍=建て替え中)がある。建築年は61~82年と幅があるが、今年3月までの家賃は高輪が約5万2000円、九段が約4万9000円、青山が約1万円だった。

 衆院も参院の後追いで平均35%(最大50%)の値上げを決めたが、こちらは新家賃を公表しないというから、納税者もなめられたものだ。しかも、最も古い青山宿舎を差し置いて、赤坂宿舎の建て替えが始まっており、すでに03年4月に仮宿舎への引っ越しが行われた。

 この仮宿舎がこれまたとんでもないシロモノなのである。国会から「6㌔30分圏内」に4カ所の民間マンションが調達されたが、家賃は30~50万円。ただし、議員本人は議員宿舎に準じた格安家賃しか払っていない。差額は言うまでもなくわれわれの税金である。

 新宿舎は業者が建てるビルの中に3LDK(約82平方㍍)で300戸用意される。家賃の詳細は未定だが、応接室、食堂、クリーニング預かり室、健康管理室まであるというから、ホテル並みのサービスを享受できそうだ。もっとも、06年の完成までには総選挙が予想されるから、仮住まい中の議員のうち何人が新居へ移れるかは、家賃同様に未定である。

<2004年7~8月に日刊ゲンダイに連載した「亡国!税金のムダ遣い」より>
『「税金ムダ喰い」のカラクリ』(光文社刊)
by kabashima_h | 2004-09-24 23:18 | 民主主義のコスト