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by kabashima_h

亡国!税金のムダ遣い(1)

●芸者の花代を「伝統芸能」名目で処理した石川県知事●

 中央省庁の官僚を都道府県などの自治体役人がもてなす「官官接待」が社会問題となったのは90年代後半のことだった。自分たちに有利な情報を引き出そうという魂胆だが、接待の相手は許認可権を持つ中央官僚に限らない。民間人相手の「官民接待」もあれば、職員組合相手の「労使接待」もある。

 問題なのは、その金額だ。高額な接待や懇談会をめぐる訴訟が各地で起きており、96年に大阪高裁が示した「1人当たり6000円まで」を目安に、上限を設定している自治体が多い。判断のよりどころとなる「社会通念」が時代や地域によって変わるため、その後の地裁判決では「8000円まで」という判断も出てきているが、労組など部内関係者が相手のときは「4000円まで」という判決もある。

 そうした最中に、石川県は企業誘致の関係者を接待した宴席で、1晩に約58万円を使ってしまった。谷本正憲知事や商工担当の幹部職職員も含めて出席者は13人だったから、1人当たり約4万5000円である。

 なぜこれほど高額になったかというと、一流の料理屋を使ったうえに、芸者まで呼んだからだ。その花代が15万円。しかも、知事の弁明がすごい。「芸者の芸は伝統芸能として一般的に認知されており、格式のある会食にはつきもの」

 さすが加賀百万石の文化をいまに伝える石川県と言いたいところだが、納税者でもある県民にとってはとんでもない話だ。

 当然、市民オンブズマンから訴えられ、3年後、金沢地裁は「高額な費用を要する酒宴が、企業誘致の実現に必要であるとは到底いえない」と、知事らに全額を県に返還するよう命じた。知事らは「誘致をさらに確実なものにする意図だった」「お礼と従業員家族の学校の問題を協議する場」「石川の文化を理解してもらいたかった」などと次々釈明したが、裁判所にすべて退けられている。

 知事らはすぐに控訴したが、それから間もなく、被告の1人だった産業立地課長が別の企業誘致をめぐる収賄容疑で逮捕されたため、取り下げざるをえなくなった。

 そして、その翌年の02年、接待や懇談会の対象を課長以上に限定し、1人当たりの上限を原則8000円とするルールを決めた。同時に、審議会や委員会での昼食、茶菓は上限3000円となったが、500円玉1枚でコンビニ弁当を買っているサラリーマンには、まだまだ腹立たしい話だ。

<2004年7~8月に日刊ゲンダイに連載した「亡国!税金のムダ遣い」より>
『「税金ムダ喰い」のカラクリ』(光文社刊)
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by kabashima_h | 2004-09-17 00:09 | 民主主義のコスト